実践編:実践取組み

イベント

もともと虫に興味がある子どもたちが集まるイベントにおける取組みを紹介します。菰巻きを越冬用インセクトホテルと考え,虫たちの越冬場所を作り,それを啓蟄に回収して,どんな虫が入っているのかを観察する連続講座です。それぞれ小学生20名程度が参加しました。

①むしむし冬ごもり大作戦!(2024年度11月実施,虫探しと菰巻き)

図3-4-1

11月初旬に行った「冬ごもり大作戦」では,まず大学構内の草原と森林それぞれで昆虫採集を行いました。最初に講師の先生から,種類によって卵,幼虫,蛹,成虫などさまざまな状態で越冬すること,菰巻きの意味について学びました。草原では,成虫のまま越冬するツチイナゴやクビキリギス,卵で越冬するカマキリ類,森林ではゴキブリ類などが見られ,周囲の環境によって住んでいる虫も違うことが確認できました(表1)。虫好きな子どもたちが参加するだけあって,大盛り上がり。

原っぱ
1 カマキリの仲間 オオカマキリ,ハラビロカマキリ(卵のう)
2 バッタの仲間 ヒナバッタ,ツチイナゴ,オンブバッタ,ショウリョウバッタモドキ,クビキリギス,など多数
3 コオロギの仲間  
4 チョウの仲間 ヤマトシジミ,ヤガのなかま
森の中
5 ゴキブリの仲間 モリチャバネゴキブリ多数
6 ハチの仲間 ドロバチ(竹の中にすんでいる)
7 ダンゴムシの仲間 オカダンゴムシ
8 クモの仲間 ジョロウグモ
9 爬虫類 カナヘビ

次に,森林の中の木に菰巻きを行いました。どの木が居心地がよさそうか?という問いかけに,様々な観点で意見を出し合い,合計4本に菰を巻きました(図3-4-2)。さて,啓蟄にはどんな虫が見られるでしょうか?

図3-4-2 菰巻きをする子どもたち

必要な道具:菰,縄,縄カッター,遠沈管,虫眼鏡,図鑑等

②むしむし啓蟄大作戦!(2023年度3月実施,菰外しと虫観察)

図3-4-3 菰を外したときに落ちてくる虫をキャッチ!

少し春らしい陽気になってきた啓蟄のころ,「冬ごもり大作戦」で巻いた菰を外すイベントを実施しました。講師の先生と一緒に,慎重に菰を外します(図3-4-3)。樹皮側にも残っている虫がいるので,探し出してはずした菰と一緒に大きなビニル袋に入れて実験室に持ち帰ります(図3-4-4)。

図3-4-5 コンテナ型のインセクトホテル.
図3-4-4 温室型のインセクトホテル.
図3-4-6 菰巻きの中にいる虫の検索表(一般社団法人養老の森 守屋博文氏作成)

実験室でバットに広げ,出てきた虫をカップにつかまえていきます。検索表と図鑑を使って,何の仲間なのかを特定します(図3-4-5,図3-4-6)。ずいぶんたくさんホテルを利用してくれていたようです(表2)。十分に虫を観察したら,最後にお気に入りの虫の絵をかいてもらいました。迫力のある,かわいい,たくさんの絵が仕上がりました(図3-4-6)。

表2.入っていた虫

分類群
1 ムカデの仲間 12
2 クモの仲間 16
3 ゴキブリの仲間 ヤマトゴキブリ幼虫2
4 ハチの仲間 アシブトコバチ類2
5 ワラジムシの仲間 50くらい
6 カメムシの仲間 クサギカメムシ3,エサキモンキツメカメムシ2
7 甲虫の仲間 ナミテントウ1,ウリハムシ,ケシキスイ類
8 ダンゴムシの仲間 1
9 トビムシの仲間 多数
10 ダニの仲間 青い
11 アリの仲間

実は,虫が苦手な子がお友達に誘われて参加していましたが,保護者の方が「お友達と一緒に楽しくじっくり観察するという経験ができたし,虫も眠っていたのかなとか想像するとかけ離れた存在ではなくなるようで,普段と違って怖がっていなかった」とお話しくださいました。自然に目を向けるきっかけとしても,菰巻きは効果がありそうです。

必要な道具:バット,ビニル袋,プリンカップなどのケース,虫眼鏡,軍手,図鑑等

図3-4-7 子どもたちが描いた虫の絵

※ロジックモデルと年次計画は,【実践編2】をご参照ください。

実践編

インセクトホテル作り方マニュアル

木材や竹,テラコッタなど,さまざまな材料でインセクトホテルを作ることができます。ここには,インセクトホテルの作り方をPDFでまとめてあります。説明動画と合わせて使ってください。

PDFファイル

インセクトホテルを活用した授業の年次計画

小学校,中学校,中高探究で,冬ごもりインセクトホテルを授業内で実施する場合の年次計画をPDFにまとめてあります。ここに,地域や学校の特性に合わせてさまざまな活動を組み合わせてみると,発展性が生まれます。

PDFファイル

実践取組み

実際に小学校総合,中学校理科,中高探究,イベントでおこなった授業実践例を集めました。

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