インセクトホテル作り方マニュアル
木材や竹,テラコッタなど,さまざまな材料でインセクトホテルを作ることができます。ここには,インセクトホテルの作り方をPDFでまとめてあります。説明動画と合わせて使ってください。
理系寄りの公立中高一貫校における探究活動で,インセクトホテルの設置を実施した例を紹介します。このプログラムに参加したのは,2023年5月に「里山ESD」として発足した中高生徒の有志14名です。2023年度には一般的なインセクトホテルの設置と素材や設置場所に関わる探究,2024年には,前年度の経験からターゲットを明確にしたインセクトホテルの開発を行いました(図3-3-1)。 2023年6月から始まった探究活動では,学校ビオトープにいる昆虫相を明らかにすることとインセクトホテルを利用した虫を保護する方法を探すことを目的としており,ビオトープの生物調査と並行して,いくつかのグループに分かれてインセクトホテルを作成しました。対象にする虫の性質に合わせて使用する素材や設置場所を工夫し,学校ビオトープ内に設置したところ,インセクトホテルは生物調査では見つからなかった昆虫の冬眠場所としても使われていることがわかりました(図3-3-2,図3-3-3)。この年の生物教育学会で発表されたポスターのタイトルは「より良い虫ホテルの開発とそれを用いた生態系の調査」でした。
2024年度は,前年の調査から「外来種を効果的に捉えるようなインセクトホテルはできないだろうか」という課題を生徒自らが発想し,探究を進めました。具体的には,カメムシをターゲットとしています(図3-3-4)。学校内で大発生しているキマダラカメムシを使ってカメムシの習性を明らかにし,好みの巣材,明度,餌,必要な水分などを検証し,その情報を活用して外来カメムシを効果的に捕捉できるインセクトホテルを開発するという取り組みです(図3-3-5,図3-3-6)。2024年は気象条件が例年と異なりその後の探究に困難が生じてしまいましたが,また来年度続きの結果が聞けるのが楽しみです。
このように,自ら課題を発見し,その先を追及していくことが探究の醍醐味です。理系の課題研究に特色のある学校ですので理科的要素が色濃く出ていますが,その過程において異分野要素を取り入れることも可能です。
※ロジックモデルと年次計画は,【実践編2】をご参照ください。